お気楽庵



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実例2.東広島市『お気楽庵』

木造2階建ての築30年弱が経過した自宅は、夏は暑く、冬は寒いといったよくある普通に古くなった家でした。そこに暮らす自分達は年齢を重ね、年々暑さも寒さも耐え難くなっていくのにつれて、季節を凌ぐための電気・ガス・灯油代、そして古くなった設備機器をはじめとする家のメンテナンスの費用も増える一方・・・。費用が嵩むのも頭痛のタネでしたが、何よりも今後ますます年齢を重ねるにあたって、「快適さ」が得られない暮らしが今後も続くことを考えると、やるなら今かな?と思い立ったのが2年前(2010年)の夏でした。
今回、大規模に改造を実施するにあたり、特に重点を置いたのは「断熱改修」です。室内の“温熱環境”を改善することで、エネルギー消費量も減らす(つまりランニングコスト減に繋がる)取り組みです。

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私の自宅がある東広島市八本松は、盆地特有の気候で夏は風が少なく暑さが厳しく、冬は広島市内に比べて4℃近く気温差があるほど寒さが厳しい。冬を凌ぐのは、エアコン、ストーブなどいくつか手段はありますが、夏は冷房に頼らざるを得ないのが現状です。
しかし、夜間冷房を点けっ放しで就寝し朝を迎えた時の身体のだるさは、健康に良いとは思えませんでした。
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<住まいの性能>
改修前
Q値=4.60W/㎡K
μ値=0.114

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先ずは、年老いた両親のため床の段差を無くし、仕切られていた部屋も建具を介してほぼ1室空間へ変えました。(バリアフリー改修)
空間が広くなった分、暖冷房のエネルギーは増えますが、床、壁、窓の断熱強化によって熱を逃げにくくすることでそこをカバーしました。断熱を強化することは3つの意味があり、一つ目は暖冷房が効きやすくなること(熱が逃げにくく、空間の温度にムラが少なくなる)、二つ目は暖房をしていない部屋も寒さが軽減されます。三つ目は暖冷房の効きが良くなることで「省エネルギー」に出来ることです。
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<住まいの性能>
改修後
Q値=2.72W/㎡K
μ値=0.058

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※Q値=熱損失係数。住宅の断熱性能を数値的に表したもので、値が小さいほど断熱性能が高いことを表します。次世代省エネルギー基準 Q値=2.7W/㎡K
※μ値=夏期日射取得係数。建物への日射熱の侵入の程度を示した指数で、値が小さいほど日射遮蔽性能が高いことを表します。次世代省エネルギー基準 μ値=0.07

 改修前・改修後の電気代グラフ

仕切って使っていた部屋をつなげたことで広く感じるようになり、肝心の電気代は、以前の半分程度まで減らすことが実現出来たにも関わらず夏も冬も心地よさは以前と比較にならないほど向上し、一番嬉しかったのは、“室内温熱環境”改善による暑さ寒さに対するストレスが激減したことです。我慢や忍耐の上に成り立つ省エネや、過剰な設備投資によってランニングコストを減らす選択は、本当に正しいのでしょうか?
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そこにある自然を理解し適切な建築的手法を用いることで、先ずは心地良さと省エネを両立させることを検討してみませんか?
愛着あるお住まいに「快適だね。」と感じながら健康で出来るだけ長く暮らし続けて頂けるように・・・
そして快適さを得るためのエネルギーが出来るだけ少なくて済むように。
私たちは、「パッシブデザイン」の設計手法によるお住まいの再生をおススメします。

設計:松下陽子

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実例1.廿日市市『Triangle』

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木造新築住宅

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実例2.東広島市『お気楽庵』

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中古住宅大規模断熱改修

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